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何度もこのメモで登場してもらってる、お店に置いてあるダブルショルダーの財布
写真左がお客さまが置いていかれたサンプルで右が新品です。
カーキーの色がここまで濃くなります。

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サンプルの財布は6年ほど使っていたものなので
ワッカのところの革がきれてワッカがありません。

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この財布を実際見られた方は知ってると思いますが、
新品時は財布が閉じません。
使っていると革が馴染んで閉じてきます。

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ワッカがないのも、革に付いたキズも、
使った人の履歴と言うか、あるがままだと思うんです。
新品のものより、使ってその人らしさがあるもの、僕はそこに惹かれます。
革は一緒に時を刻むことが出来るマテリアルだと思います。

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新品と使っているものの違いは、
色の変化、革が馴染むなどありますが、
この箇所が実は一番味わい深さを出している要因だと思います。

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それはこの縁です。
新品はまだ断面がくっきりしています。

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こちらはサンプル。

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断面が丸みを帯びています。
この方が新品に比べると自然な形に思います。

先日ダブルショルダーの長財布をお使いのお客さまが
財布を洗濯機で洗ってみました。と言っておられました。

? ? ?

何でですかと聞いてみると、
いや、特に何でとかないんですけど、洗うとどうなるかなぁと思って。

そのお財布を見せて頂きましたが、
普通に使って光沢も出ているものでした。

洗った後はちょっと革が乾燥した感じだったので
クリーム塗ったら、すぐに元に戻りました。
使っていて飽きたら、サンドペーパーで擦ってみようと思います。と。

一般的な財布をそんな風に使おうと思うことは
あんまりないと思います。
ただこのダブルショルダーの財布は、
そういうことをしてみたくなる、
そしてそれを受け止めるだけの、タフさがあると思います。